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南極に飛んだ理由 2

南極に飛んだ理由 2

㈱城南サービス
取締役 磯 一郎

1.南極迄飛ぶには
  まずは、東京からドバイへ。 エミレーツ航空を使用して、成田・ドバイ間 1万Km弱 11時間
  ドバイからケープタウン(南アフリカ)へ 7,000km 8時間
  ここから先が問題。私達の仕事でした。
  飛行機はロシア製IL76を使用。ケープタウンから南極ノボラザレクスカヤ基地迄4,600kmの飛行でした。
  この飛行機の運航は、11ヶ国 南アフリカ・スウェーデン・フィンランド・ノルウェー・ドイツ・イギリス・
  オランダ・ロシア・ベルギー・インドそして日本がお金を出しあっています。
  アメリカ・ロシア・中国は自前で航空機を使用していますが、コストがかかりすぎるので、上記11ヶ国で
  プロジェクトを作り、寒冷地運用の熟練したロシア・カナダの航空機を使用することにしたのです。
  カナダ? 実は、南極大陸の中を飛ぶのに古いタイプのDC-3(カナダ)が活躍しています。
  そもそも南極は春・秋がなく、夏・冬おおざっぱに6ヶ月づつ。飛行機は夏期間6ヶ月しか飛べません。
  冬は寒過ぎ・暴風・まっ暗なので。

2.南極の着陸(今回はロシアの基地へ)
  氷の上に安全に降りれるの? 安心して下さい コンクリートの滑走路におりるのも雪氷の上に着陸
  するのもそれ程違いはありません。
  それでも安全のために行っているのは、
  1)夏の期間、それも朝早い時間。太陽がのぼって表面がとけないうちに離着陸します。
    この時はケープタウン夜10時発.南極着朝4時半でした。

  2)雪氷がしっかりつもっているので、平らにしかも3,000mの長さの滑走路をつくる。
    一週間前から平らにする作業そしてこれから行きますよ、はいどうぞそしてさらに着陸前6時間位かけて
    雪氷滑走路を安全に着陸できるように準備します。

上記の機械を使用して平らにしていきます    雪氷に作った滑走路    上空から見た滑走路

  3)滑走わきに、100m毎に残りの長さを示す看板を立てる。
    電池で作動するライトもつける。さらにPAPIという3度の進入角度がわかる(白と赤の4つのライト。
    白白赤赤に見えると3。赤が3つに見えると低い、白が3つになると高いパス)ものも設置

  4)管制官は?
    いません。気象研究者や無線器を扱う人はいますので、この人と連絡を取ります。
    飛行機の欲しい情報は、滑走路の状況・見通しの良さ・そして最も大切なのは風の向きと方向です。
    もし前方から30km/時速の風が吹くと時速200kmで着陸する飛行機なら、接地の時は170kmの時速で
    安全ですが、後ろから30kmの風が吹くと230kmで接地しなければならず、滑走路をオーバーしてしまう
    かも知れません。それにスピードが出すぎると飛行機はヒューと飛んで行って、着陸できないからです。
   ですので、無線器を持った基地の人は、風速器の数値をたえず教えてくれます。
   さらに万一天候急変して、着陸できないときはケープタウンには戻れませんので(燃料が減って少ない)
   近くの基地、こと時はドイツの基地の人は無線をずーとモニターしていて、こちらの天候は晴、西の風5mと報告
   たえず報告してくれています。

  5)昭和基地には着陸できないの?
     降りれません。昭和基地は島に建築されているので、長い滑走路は基本的にできません。
     DC3の小型機は以前近くに着陸したと聞いていましたが、今回は近くのベルギーの基地へ
     やはり、ロシアの基地から同機で飛びました。

  6)飛行機の中での着替え
     ケープタウンから南極に向かう途中(Go-No-Go point)(何があっても、もう行くの 帰りたくても帰れない)
     通過すると乗員乗客も少し緊張してきます。
     そして着陸1時間前になると飛行機前方にPlease change into your polar clothing! なるものが表示されます。
     その時は11ヶ国研究者70名が搭乗していましたが、(私もフライトの安全検査でコックピットにいましたが)
     男女全員南極用防寒着に着替え始めます。

私、左端。あまり整備されていない各国の飛行場に飛ぶのでタイヤの下にスキーを付けています。